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 理事長挨拶
理事長顔写真
 
 
2017年11月に第4代会理事長を拝命し、約2年半が過ぎました。この間、新専門医制度の開始、働き方改革、そして新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大など、わが国の医療を取り巻く環境は大きな波に揉まれ続けています。本会においてもこれらの影響は甚大ですが、会員の皆様とともに、本学会として適切な対応を行っていきたいと考えております。
 
さて、日本外科学会は100年以上の歴史を有し、40,000名以上の会員を擁しています。
新専門医制度が開始されて2年、外科専攻医採用者数はわずかに増加傾向にありますが、いまだ専攻医募集定員の4割弱しか充足されておらず、全国的な外科医不足が明らかとなっています。本学会の会員構成からは、外科医の高齢化が進んでいることも見受けられ、若手外科医を確保することが本学会、そして我が国の外科医療の発展に非常に重要です。また、働き方改革が医師に適用される時期が近づき、全ての施設でこれまでの働き方を見直す必要があります。さらに、新型コロナウイルスのようなパンデミック時における外科医療のあり方について、早急に対策を確立する必要があります。また、この新規感染症は社会生活のあり様にも大きな影響を与えており、今後の学術集会やカンファランスの見直し論議も必須と思います。
このような背景を踏まえて、私は今後、以下のことに重点的に取り組みたいと思います。
 
1)若手外科医の増加策
初期研修医における外科必修化を復活させることができた。引き続いて全ての初期研修医が外科学に触れることにより、若い医師が外科に進むきっかけとする。
 
2)専門医の研修プログラムの確立
日本専門医機構と連携し、外科サブスペシャルティ領域の枠組みや連動研修の方法などについて、若手外科医が安心してスムーズに研修できるよう、早期の制度確立を目指す。
 
3)外科医の働き方改革
働き方改革の医療への導入を見据え、外科医の長時間勤務を減らし、効率よい外科医療を行うための方策を提示する。特にタスクシフトが必須と考えて対策を練る。
 
4)遠隔手術の推進
新型コロナウイルス感染の中、情報通信技術(ICT: Information and Communication Technology)を活用したテレワークが広く知れ渡り、web上での会議、カンファレンスが行われるようになってきた。ICTは医療の現場でもその威力を発揮しており、一つの活用法が遠隔医療である。新型コロナウイルスの感染が危惧される中、患者さんは遠隔医療を通して、自宅に居ながら主治医の診察及び処方を受けられるようになった。本学会は、昨年度より遠隔医療を手術の場にも活用しようと新たなプロジェクトを立ち上げた。「遠隔手術の推進」である。本学会はこの遠隔手術を進めるべく、日本内視鏡外科学会、日本ロボット外科学会などと協調し、行政と産業界の支援を得ながら様々な研究開発を始めている。遠隔手術の早期実現を目指す。
 
5)女性外科医の更なる活躍
女性外科医がその力を十分発揮できる環境を作り、さらに飛躍できるようにする。今年度に女性理事2名が選出されたので、活発な活動を支援する。
 
6)外科専門医のインセンティブ導入
本学会を基盤とする2階と3階建ての学会専門医の手術に対するインセンティブ獲得を目指す。
 
7)訴訟への対応
外科医が安心して高度な医療に取り組めるように、「外科治療時の無過失補償制度」を提言する。
 
8)学術集会の在り方、各種の学会と研究会の発展的改組
新型コロナウイルス感染の拡大により、本学会学術集会を含む多数の学術集会が、延期や開催様式の変更を余儀なくされた。これを機に学術集会のあり方を見直し、さらには学会の再編成を検討する。
 
9)Surgery TodayのIF強化と国際化の推進
本学会を国際的に強くするには、英語化が必須である。Surgery TodayのIFを5以上にする。さらに、欧米はもとより、アジア、アフリカ諸国と交流を勧め、本学会の国際的地位向上に努める。
 
以上のような点に具体的に取り組んでいく所存です。会員の英知を結集して、より良い日本外科学会に育っていくように、ご指導とご支援をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願申し上げます。
 
 
 
理事長紹介
 氏 名
森 正樹(もり まさき)
 所 属
九州大学大学院消化器・総合外科学(主幹教授)
 専門分野
消化器外科学
 略歴
  昭和55年
九州大学医学部卒業
  平成3年
アメリカ合衆国ハーバード大学留学
  平成10年
九州大学生体防御医学研究所教授
  平成20年
大阪大学大学院医学系研究科教授
  平成30年
九州大学大学院消化器・総合外科教授
  平成30年
大阪大学名誉教授
  令和元年
九州大学主幹教授
 会員歴
  昭和56年9月26日~
入会
  平成10年2月14日~
評議員(代議員)選任
  平成26年4月2日~
理事選任
(専門医制度副委員長、NCD連絡委員長、将来計画委員長などを歴任)
  平成29年11月22日~
理事長選任