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 新しい専門医制度構築に向けた日本外科学会の取組み
 
新しい専門医制度構築に向けた日本外科学会の取組み
 
はじめに
 本邦における専門医制度は、各種学会などが独自にその運営を担い、必ずしも統一した基準が設けられていないことが長年にわたり課題として指摘され、専門医の質を担保し、国民にわかりやすい制度とするための議論・検討が行われてきました。
 2013年4月、厚生労働省内「専門医の在り方に関する検討会」の答申が公表されました。また、日本専門医制評価・認定機構からは、研修プログラムに基づく専門医制度整備指針(第4版)が公表されました(添付資料1,2)
 この中で、これまで学会毎に行われてきた各種専門医の認定・更新は、今後は第三者機関である日本専門医機構(仮称・2013年度中に発足予定、以下新機構)によって行われる方向が示されました。
 今回の一連の動きについて、会員の皆様におかれましては、さまざまなご意見、またご不安をお持ちであろうかと拝察致します。
 新制度の詳細な内容は新機構発足後に協議・策定されますが、現時点で予想される変化と、日本外科学会として新機構に対して要望していく主な方針に関して、会員の皆様にお知らせ致します。
 
1)
日本外科学会としての基本姿勢
 
 日本外科学会が構築・運営してきた外科専門医制度は、他の基本領域専門医制度と比較しても最も充実した完成度の高い制度であり、新しい専門医制度の規範となるべき制度であると考えています。新機構による専門医の認定・更新制度が発足した後は、従来の「学会認定専門医」は広告ができなくなる可能性もあります。日本外科学会は、すでに外科専門医を取得した、あるいは現在すでに外科専門医取得を目指して修練中の本学会会員各位が不利益を被ることがないよう最大限の努力をして参ります。さらに、日本外科学会が先導してよりよい専門医制度を構築していくために、新機構に参画し、建設的な協議を行っていく方針です。
 しかしながら、日本外科学会および関連する外科系学会として受け入れがたい状況が生じた場合には、新しい制度から撤退する可能性も残し、毅然とした姿勢で新機構との協議に臨む所存です。
 
2)
日本専門医機構(仮称)の機能
 
 新機構の大きな役割は、1.専門医の認定・更新 2. 研修施設・プログラムの評価・認定となっています(添付資料3)。実際には、新機構の中のボード会議・各種委員会に日本外科学会の会員も参画して、外科専門医新制度の策定・運営を行っていく仕組みとなっています。日本外科学会としては、外科専門医制度研修プログラム整備指針策定にあたり、新機構の作業に参画していく方針ですが、個々の具体的な研修プログラムは、この整備指針に準拠してそれぞれの病院群が策定し、新機構がこれを認定する仕組みとなります。
 
3)
新しい制度における認定・更新要件の変更
 
 新しい制度では「研修プログラムによる修練と診療実績に基づく認定・更新」がその根幹となっています。現在の外科専門医制度はすでにこの条件を満たしており、新制度においても認定・更新要件の大幅な変更は必要ないと考えております。現在、本学会専門医制度委員会では、現行の外科専門医カリキュラムと日本専門医制評価・認定機構から公表された専門医制度整備指針(第4版)の詳細な比較検討作業を行っております。
 
4)
今後のスケジュール
 2013年度中に第三者機関である日本専門医機構(仮称)が発足
 (日本外科学会からも各種委員会に参画予定)
 
 外科専門医研修プログラム整備指針の策定(2014年~2015年3月)
 
 2015年4月 同整備指針の公表
 
 2015~2016年3月 日本専門医機構による研修施設・プログラムの認定作業
 
 2017年4月 新しい外科専門医制度による修練開始
 
5)
現在の外科専門医・修練医(専門医取得研修中)の扱い
 
 上述のごとく、新制度において認定・更新要件の大幅な変更は必要ないと考えていますので、現行制度で認定された専門医は、過度に煩雑な書類手続きや新たな試験、費用負担などを要さず、ほぼ自動的に新制度の外科専門医に移行することを要望します。移行時期、方法など詳細については新機構と協議をして参ります。
 現在の制度で修練を行っている会員に対しては現行制度での書類審査、筆記試験、面接試験を行い、合格した場合は新制度の専門医として認定することを要望します。その後の更新(5年後を予定)に際しては新制度に準じた審査を行います。新制度では、医療安全や医療倫理に関するセミナーの受講などいくつかの要件が加わる可能性はありますが、診療実績必要症例数など根幹に関わる大きな変更なく、従来通りで運営することを要望します。新制度において新たな受講要件などが加わった場合には、学術集会などの際に受講できるよう配慮して参ります。
 
6)
NCDを用いた診療実績登録について
 
 2011年に登録を開始したNCDは、外科専門医制度と連動し、すでに3,374施設から130万例以上が登録され、医療水準評価やさまざまな臨床研究の対象となる貴重なデータの蓄積が行われています。本制度に対する会員の皆様のご理解とご支援にあらためまして感謝致します。新制度においてもNCDを用いた診療実績評価を堅持することを強く要望致します。
 
7)
他の学会・他の専門医制度との連携・協調
 
  同じ基本領域学会である日本内科学会とはすでに緊密な情報交換を行っております。基本領域専門医修練開始時期や修練に要する年限などにおいて日本内科学会と協調体制をとって要望を出して参ります。本学会のサブスペシャルティである4専門医(消化器外科専門医、心臓血管外科専門医、呼吸器外科専門医、小児外科専門医)の関連学会、その他の外科系関連学会とも連携し、関連する専門医制度との整合性に配慮しながら、新機構との協議を行って参ります。
 
はじめに
 現在、新機構設立準備委員会により、その設立に向けた準備作業が進行している状況です。新機構が発足し、日本外科学会との協議が開始されましたら、その都度重要な情報を会員の皆様にお伝えして参ります。
 
 平成26年1月30日
 
一般社団法人日本外科学会
理事長 國土典宏
専門医制度委員長 北川雄光