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 厚生労働省「実践的な手術手技向上研修事業」の予算確保について
平成29年11月16日
 
財務副大臣 木原  稔 殿
 
要望書
 
厚生労働省「実践的な手術手技向上研修事業」の予算確保について
 
 先日、厚生労働省から提出された平成30年度概算要求(別紙参照)において、「実践的な手術手技向上研修事業」に対し、昨年度よりも増額がなされ、計5.1億円が計上されております。日本外科学会CST推進委員会の立場から、事業の必要性について述べさせていただき、本事業に対するご支援を頂きたく存じます。
 平成24年に「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」が公表され、それまで学生実習や解剖学研究に限定されていた献体使用が、医師及び歯科医師の手術手技研修等にも可能となりました。昨今、高難度手術の医療事故対策として、病院組織のガバナンスの強化が図られていますが、その一方で、病に悩む患者に対して、新たな治療法の開発は必須であり、次世代の外科医の養成も必要です。
 臨床医学における献体使用は、高度で安全な医療技術の普及のための外科教育、難治性の疾患に対する新たな治療法の開発のみならず、医療機器開発の推進による産業の育成も期待できる新たなアプローチであります。また、研修医、医学生等に対する手術手技研修の充実は、減少を続ける外科医対策として極めて重要です。臨床医学の献体使用は我が国の医療を大きく進化させるものですが、その実施には、献体に関わる事業費、手術機器等の購入費、学生の解剖学実習に支障を来たさないための専用施設の整備などが必要です。本来は研修医、医学生の教育に責任を持つ、医学部を持つ大学は全大学で実施できるような体勢を整えるべきと考えます。しかし、平成29年4月現在、全国15大学で実施されていますが、今年度までの厚生労働省「実践的な手術手技向上研修事業」(平成29年度4,500万円)は、その予算規模から全国の6大学に限定した支援であることから、全国約80ある医学部・医科大学に本事業を浸透させるには大変厳しい現状です。
 「実践的な手術手技向上研修事業」に対する平成30年度の概算要求は、臨床医学における献体使用を全国の医学部・医科大学に推進するには未だ充分な予算額ではありませんが、増額がなされており医療者の立場からも、来年度の概算要求レベルは何としても確保したい最低限必要な経費だと考えます。
 つきましては、高度な医療を安心して受けられる未来社会の実現のために「実践的な手術手技向上研修事業」の趣旨とその意義をご理解いただき、今後の予算審議過程においてお力添えいただきますようお願い申し上げます。
一般社団法人日本外科学会代表理事 (副理事長) 森  正樹
 
一般社団法人日本解剖学会理事長        岡部 繁男
 
日本外科学会CST推進委員会一同
伊達洋至(委員長、京都大学呼吸器外科)、松居喜郎(副委員長、北海道大学循環器・呼吸器外科)、平野聡(北海道大学消化器外科)、伊澤祥光(済生会宇都宮病院外科救急科)、小林英司(慶應義塾大学臓器再生医学)、七戸俊明(北海道大学消化器外科)、白川靖博(岡山大学消化器外科)、平松昌子(高槻赤十字病院消化器外科)、吉田一成(慶應義塾大学脳神経外科)、野原裕(流山中央病院整形外科)、八木沼洋行(福島県立医科大学神経解剖・発生学)、内山安男(順天堂大学神経疾患病態構造学)、弦本敏行(長崎大学肉眼解剖学)、渡辺雅彦(北海道大学解剖発生学)、柴田考典(北海道医療大学歯科口腔外科)、高橋晴雄(長崎大学耳鼻咽喉頭頸部外科)、鈴木崇根(千葉大学環境生命医学)
 
<木原稔財務副大臣へ提出>
木原稔財務副大臣へ提出
(左から島村大議員、七戸俊明准教授、小林英司教授、木原稔財務副大臣、冨岡勉議員、羽生田俊議員、自見はなこ議員、大隈和英議員)
 
<今枝宗一郎財務大臣政務官へ提出>
今枝宗一郎財務大臣政務官へ提出
(左から自見はなこ議員、七戸俊明准教授、小林英司教授、今枝宗一郎財務大臣政務官、大隈和英議員、冨岡勉議員、羽生田俊議員、島村大議員)