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 初期臨床研修における外科必修化のお願い
平成29年2月13日
 
厚生労働大臣 塩崎 恭久 殿
 
一般社団法人日本外科学会
理事長 渡邉聡明
 
初期臨床研修における外科必修化のお願い
 
謹啓 余寒厳しき折柄、ご健勝のこととお慶び申し上げます。また、日頃は大変お世話になり感謝申し上げます。
 さて、本日は現在審議が行われております平成32年度の医師臨床研修制度の見直しの件で連絡させていただきます。
 ご存知のように現在の医師臨床研修制度では、必修は内科(6か月以上)、救急(3か月以上)にとどめられ、研修2年目に地域医療1ヶ月を必修としています。外科は、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科と共に選択必修とされ、このうちから2診療科を選択することになっています。しかし、労働環境が厳しいことなどから外科は敬遠され、あまり選択されていないのが実情です。
 一方で、手術による侵襲的治療は以前にも増して多くなり、急性期病院では診療における比率が増加している現状があります。現在の医師臨床研修制度では手術という重要な診療を経験せずに医療現場で従事する医師が増えるため、将来の診療現場に混乱をきたすことが危惧されます。
 例えば、懸念されるのは、医療安全がその最たるものです。強い侵襲を伴う手術の際には、患者・家族へのインフォームドコンセント、他診療科や各種医療スタッフとの情報共有と討論を始めとするチーム医療、医療事故防止のための対策、医療事故発生時の対応と報告などを考慮しておかなければなりません。それらはまさしく、われわれ外科医が長年にわたり培ってきた医療安全文化に直結する課題です。そして、それは社会が複雑化し多様化する近未来においては、特に重視されるべきものと考えます。医療安全とチーム医療の重要性に鑑み、これらを初期臨床研修中に外科において経験し学ぶことは、国民に安全な医療を提供するために、全ての医師にとって必須のことと考えます。
 つきましては、初期臨床研修制度において、手術を行っている診療科の基盤をなす学会の立場から、外科を必修診療科とすることを考慮していただきたいと心からお願い申し上げます。 末筆になりましたが、時節柄ご自愛いただきますようお祈り申し上げます。
謹 白