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 要望書(診療報酬改定について)
平成23年12月9日
 
厚生労働大臣殿
厚生労働事務次官殿
医政局長殿
保険局長殿
保険局医療課長殿
 
要 望 書
 
 昨年の診療報酬改定では勤務医の負担軽減を織り込んだ策定をしていただき真にありがとうございました。私ども外科医にとりましても、手術手技料の増額は、外科医の復権という意味からも大変喜ばしいものでありました。日本外科学会では今回の勤務医負担軽減を主眼とした診療報酬改定がどの程度現場の外科医の労働環境改善に結びついたか、会員、全国の病院長および外科学会事務連絡指導責任者(各病院代表の外科医)に対してアンケートを行いました。報告書(要約版)を同封いたしましたのでご一読いただければ幸甚です。
 今回の改定では、大規模病院を中心に80%の病院で収入増加が認められ、病院全体の収入は12%強の増加、日本外科学会関連の診療科分を集計すると15%強の増収となっております。これを受けて多くの病院で勤務医の労働環境改善にある程度は取り組んでいただきましたが、労働環境に関する会員アンケートからは、十分な成果があったとは言えない結果となっております。外科医の勤務状況は相変わらず厳しく、異常ともいえる長時間の労働時間と同時に当直明けの手術参加も日常化し、大半の外科医が睡眠不足による手術中のヒヤリハット(危険と思う事)を経験しています。
 本来ですと今回の診療報酬で得られた増収分は、外科医を含む医療スタッフの勤務環境改善に向けられるべきでしょうが、長年にわたった診療報酬のマイナス改定によって病院経営は悪化しており、その赤字補てんのために使用せざるを得なかったと思われます。しかしながら、外科医が疲労の極みで手術を行わなければならない状況は、手術の安全性を大きく損ない、ひいては患者さんの不利益、社会全体の不利益につながります。急速に進行している外科医の減少に端を発する医療の全面崩壊を防ぐ意味からも早急な対策が望まれます。
 厚生労働省におかれましては、外科医、特に病院勤務医の労働環境改善のために、診療報酬上のさらなるプラス改定の処置など、なお一層のご高配をお願いいたします。
 
社団法人 日本外科学会
理事長 里見 進
同外科医労働環境改善委員会
委員長 富永隆治