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 「ティーエスワン」食道癌への保険適用に関する要望書
平成23年11月25日
 
厚生労働大臣 小宮山 洋子 殿
厚生労働省保険局医療課長 鈴木 康裕 殿
 
社団法人日本外科学会
理事長  里見 進
保険診療委員長  岩中 督
 
「ティーエスワン」食道癌への保険適用に関する要望書
 
 食道癌は使用できる治療薬剤が限られており、また罹患者数は胃癌等と比べ多くないために事業性の観点から、企業が開発治験に着手しにくい領域となっています。現在食道癌の化学療法としては、5FU持続静注とシスプラチンの併用が汎用されていますが、5FUの持続静注は入院やインヒューザーポンプを必要とし、患者のQOLが損なわれます。テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(商品名:ティーエスワン)は、5-FUの効果増強のコンセプトで開発された経口抗がん剤であり、適応外の食道癌への使用が強く望まれております。
 昭和55年9月3日保発第51号(以下、「55年通知」)によりますと、(1)国内で承認され、再審査期間が終了した医薬品、(2)学術上の根拠と薬理作用に基づき処方された場合、においては適応外使用であっても医師の裁量権を認めるとされています。その際の診療報酬明細書の医薬品の審査に当たっては都道府県の間においてアンバランスを来すことのないよう、「審査情報提供事例」が公開されております。
 ティーエスワンは、1999年1月に胃癌にて製造承認を取得し、現在では結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌、膵癌、胆道癌の適応を有しております。再審査期間は2005年1月に終了し、すでに有効性および安全性に関する多数のデータが集積されています。特に食道癌と同じ上部消化管癌である胃癌においては切除不能・術後共に日本における大規模な第III相試験の結果、高い有効性が確認され、中心的薬剤となっています。また、食道癌に対しても適応外ではありますが、実地臨床や医師主導の臨床試験で食道癌へ使用される例があり、学会発表、論文発表がなされています(資料参照)(PDFファイル)。
 以上のことから、ティーエスワンを食道癌に使用することは55年通知の基準に合致しており、「審査情報提供事例」として公開していただくことで治療の一つとして選択しやすくなり、食道癌患者さんへ大きな恩恵をもたらすものと考えます。
 日本の食道癌患者さんへの治療選択肢を広げるために、「審査情報提供事例」にティーエスワンの食道癌への使用を追加いただくことを要望いたします。何卒宜しくお願い申し上げます。