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 外科医志望者減少問題に関する要望書
 
平成21年11月26日
 
厚生労働大臣
 長妻 昭 殿
 
社団法人日本外科学会
理事長 里見進
 
要望書
 
 近年の外科医志望者の減少で生じることが予想される外科医療の崩壊を防ぐために、国のご支援をお願いすべく要望書を提出申し上げます。
 
 医師不足によってもたらされた医療崩壊は、地方の中小病院のみならず都市部の大病院にも及び、今や我が国の医療制度の根幹をも揺るがしかねない大きな社会問題になっております。この問題は昨今の報道に見られるように、主として産科や小児科、救急医療で顕在化し世間の注目を集めていますが、外科医の減少がこれらの分野よりもさらに急速に進行していることはあまり知られていません。日本外科学会の入会者は1990年代初頭には毎年1,500名前後でありましたが、2000年以降は1,000名を切る状況になり、2007年には800名にまで減少しております。つまり、90年代初めに比べて最近は約50%強の外科医師しか誕生していないことになります。現在の外科医療は主として80年代後半から90年代前半に外科医になった医師が中心になって担っておりますが、今から10年後には志望者の少なくなった2000年代に外科を選択した医師が中心になって、これを支えていくことになります。現在でも過酷な勤務条件の中で診療を行っている外科医は、担い手の減少によってさらに労働環境が悪化する悪循環に陥り、疲弊するとともに急速に意欲を失い外科医療から撤退する事態に陥ることが予想されます。その結果、外科医療が引き金となって、我が国の全面的な医療崩壊を招く最悪のシナリオが現実のものとなりかねないと危惧しております。
 
 本来、外科は患者に直に接する機会の多い治療学としての魅力に溢れ、医学生の時に将来の志望を調査すると外科を希望する者がそれなりの数おります。それにもかかわらず、卒業時や初期研修終了時には減少しております。日本外科学会の調査によりますと、その理由として、1)外科は勤務時間が不規則で長時間勤務や時間外勤務が多く、当直明けも通常勤務をせざるを得ないなど勤務環境が悪い、2)医療事故に巻き込まれる確率が高く、それゆえに医療訴訟の当事者となることも多い、3)技術の習得に時間がかかる割には正当に評価されているとは言えず、労働に対する評価・対価が低い、等の理由が挙げられています。
 これらの問題点を解決するには、1)医師数を増員することで外科志望者を増やす、2)コ・メディカルスタッフの充実による外科医の勤務環境の改善を図る、3)医療事故の原因を究明し医療安全を推進する第三者委員会の設置や、4)無過失損害補償制度の設立、5)手術に対する診療報酬費の大幅なアップ、6)外科系専門医制度を確立し、外科医育成の道筋や目標を明確にするとともに、専門医取得者自身やその指導監督の下で行われる手術についてはドクターフィーが支払われる制度を設立する、などの施策が望まれています。
 
 外科志望者減少の問題に対しては、日本外科学会では他の外科系学会と連携し、機会あるごとに学術集会でのテーマとして取り上げ、一般有識者のご意見も傾聴しつつ、議論を重ねてきました。今後も医学生や研修医に外科学の魅力や重要性を啓発するとともに、質の高い外科系専門医を養成し外科医療のレベル向上に努めていく所存です。しかし、わが国の将来の外科医療の提供体制に関する、このような大きな課題を学会だけで対応していくことには限界があり、国の政策としての強力な対応が不可欠と考えます。
 私ども日本外科学会は、世界に誇れる安心、安全な外科医療の確保のために、あらゆる努力を惜しまない気持ちで取り組んで参りますので、国におかれましても何卒迅速なご支援をよろしくお願い申し上げます。
 

 
 
平成21年11月26日
 
厚生労働省
 保険局長 外口 崇 殿
 
社団法人日本外科学会
理事長 里見進
 
要望書
 
 近年の外科医志望者の減少で生じることが予想される外科医療の崩壊を防ぐために、国のご支援をお願いすべく要望書を提出申し上げます。
 
 医師不足によってもたらされた医療崩壊は、地方の中小病院のみならず都市部の大病院にも及び、今や我が国の医療制度の根幹をも揺るがしかねない大きな社会問題になっております。この問題は昨今の報道に見られるように、主として産科や小児科、救急医療で顕在化し世間の注目を集めていますが、外科医の減少がこれらの分野よりもさらに急速に進行していることはあまり知られていません。日本外科学会の入会者は1990年代初頭には毎年1,500名前後でありましたが、2000年以降は1,000名を切る状況になり、2007年には800名にまで減少しております。つまり、90年代初めに比べて最近は約50%強の外科医師しか誕生していないことになります。現在の外科医療は主として80年代後半から90年代前半に外科医になった医師が中心になって担っておりますが、今から10年後には志望者の少なくなった2000年代に外科を選択した医師が中心になって、これを支えていくことになります。現在でも過酷な勤務条件の中で診療を行っている外科医は、担い手の減少によってさらに労働環境が悪化する悪循環に陥り、疲弊するとともに急速に意欲を失い外科医療から撤退する事態に陥ることが予想されます。その結果、外科医療が引き金となって、我が国の全面的な医療崩壊を招く最悪のシナリオが現実のものとなりかねないと危惧しております。
 
 本来、外科は患者に直に接する機会の多い治療学としての魅力に溢れ、医学生の時に将来の志望を調査すると外科を希望する者がそれなりの数おります。それにもかかわらず、卒業時や初期研修終了時には減少しております。日本外科学会の調査によりますと、その理由として、1)外科は勤務時間が不規則で長時間勤務や時間外勤務が多く、当直明けも通常勤務をせざるを得ないなど勤務環境が悪い、2)医療事故に巻き込まれる確率が高く、それゆえに医療訴訟の当事者となることも多い、3)技術の習得に時間がかかる割には正当に評価されているとは言えず、労働に対する評価・対価が低い、等の理由が挙げられています。
 これらの問題点を解決するには、1)医師数を増員することで外科志望者を増やす、2)コ・メディカルスタッフの充実による外科医の勤務環境の改善を図る、3)医療事故の原因を究明し医療安全を推進する第三者委員会の設置や、4)無過失損害補償制度の設立、5)手術に対する診療報酬費の大幅なアップ、6)外科系専門医制度を確立し、外科医育成の道筋や目標を明確にするとともに、専門医取得者自身やその指導監督の下で行われる手術についてはドクターフィーが支払われる制度を設立する、などの施策が望まれています。
 
 外科志望者減少の問題に対しては、日本外科学会では他の外科系学会と連携し、機会あるごとに学術集会でのテーマとして取り上げ、一般有識者のご意見も傾聴しつつ、議論を重ねてきました。今後も医学生や研修医に外科学の魅力や重要性を啓発するとともに、質の高い外科系専門医を養成し外科医療のレベル向上に努めていく所存です。しかし、わが国の将来の外科医療の提供体制に関する、このような大きな課題を学会だけで対応していくことには限界があり、国の政策としての強力な対応が不可欠と考えます。
 私ども日本外科学会は、世界に誇れる安心、安全な外科医療の確保のために、あらゆる努力を惜しまない気持ちで取り組んで参りますので、国におかれましても何卒迅速なご支援をよろしくお願い申し上げます。
 

 
 
平成21年11月26日
 
厚生労働省
 医政局長 阿曽沼 慎司 殿
 
社団法人日本外科学会
理事長 里見進
 
要望書
 
 近年の外科医志望者の減少で生じることが予想される外科医療の崩壊を防ぐために、国のご支援をお願いすべく要望書を提出申し上げます。
 
 医師不足によってもたらされた医療崩壊は、地方の中小病院のみならず都市部の大病院にも及び、今や我が国の医療制度の根幹をも揺るがしかねない大きな社会問題になっております。この問題は昨今の報道に見られるように、主として産科や小児科、救急医療で顕在化し世間の注目を集めていますが、外科医の減少がこれらの分野よりもさらに急速に進行していることはあまり知られていません。日本外科学会の入会者は1990年代初頭には毎年1,500名前後でありましたが、2000年以降は1,000名を切る状況になり、2007年には800名にまで減少しております。つまり、90年代初めに比べて最近は約50%強の外科医師しか誕生していないことになります。現在の外科医療は主として80年代後半から90年代前半に外科医になった医師が中心になって担っておりますが、今から10年後には志望者の少なくなった2000年代に外科を選択した医師が中心になって、これを支えていくことになります。現在でも過酷な勤務条件の中で診療を行っている外科医は、担い手の減少によってさらに労働環境が悪化する悪循環に陥り、疲弊するとともに急速に意欲を失い外科医療から撤退する事態に陥ることが予想されます。その結果、外科医療が引き金となって、我が国の全面的な医療崩壊を招く最悪のシナリオが現実のものとなりかねないと危惧しております。
 
 本来、外科は患者に直に接する機会の多い治療学としての魅力に溢れ、医学生の時に将来の志望を調査すると外科を希望する者がそれなりの数おります。それにもかかわらず、卒業時や初期研修終了時には減少しております。日本外科学会の調査によりますと、その理由として、1)外科は勤務時間が不規則で長時間勤務や時間外勤務が多く、当直明けも通常勤務をせざるを得ないなど勤務環境が悪い、2)医療事故に巻き込まれる確率が高く、それゆえに医療訴訟の当事者となることも多い、3)技術の習得に時間がかかる割には正当に評価されているとは言えず、労働に対する評価・対価が低い、等の理由が挙げられています。
 これらの問題点を解決するには、1)医師数を増員することで外科志望者を増やす、2)コ・メディカルスタッフの充実による外科医の勤務環境の改善を図る、3)医療事故の原因を究明し医療安全を推進する第三者委員会の設置や、4)無過失損害補償制度の設立、5)手術に対する診療報酬費の大幅なアップ、6)外科系専門医制度を確立し、外科医育成の道筋や目標を明確にするとともに、専門医取得者自身やその指導監督の下で行われる手術についてはドクターフィーが支払われる制度を設立する、などの施策が望まれています。
 
 外科志望者減少の問題に対しては、日本外科学会では他の外科系学会と連携し、機会あるごとに学術集会でのテーマとして取り上げ、一般有識者のご意見も傾聴しつつ、議論を重ねてきました。今後も医学生や研修医に外科学の魅力や重要性を啓発するとともに、質の高い外科系専門医を養成し外科医療のレベル向上に努めていく所存です。しかし、わが国の将来の外科医療の提供体制に関する、このような大きな課題を学会だけで対応していくことには限界があり、国の政策としての強力な対応が不可欠と考えます。
 私ども日本外科学会は、世界に誇れる安心、安全な外科医療の確保のために、あらゆる努力を惜しまない気持ちで取り組んで参りますので、国におかれましても何卒迅速なご支援をよろしくお願い申し上げます。